愛が足りない

怒りが爆発したら大変です。
暴言を吐いて誰かを傷つけたり八つ当たりで何かを破壊したり。

そんな過ちのせいで何かを失ってしまった経験がある方は少なくないのではないでしょうか。
そうした怒りの矛先を向けられ深く傷つけられた方は更に多いのではないでしょうか。
かく言う僕自身もその両の立場にありました。

怒りとは安い、易い感情です。
そこには尊厳も威光も気品も矜持も無い。

正当な怒りもあるでしょうし時には原動力となる場合もあるのでしょうが、そのためには冷静に怒るためのアンガーマネジメントが不可欠です。

怒りと向き合うことは惨めで恥ずかしい事が多く鬱々とした気持ちを抱えることにもなってしうので難しい事だと思います。
原因を作らないようにしたり逃げ道を作ったりしますが、そのせいで返ってイライラします。

平穏を取り戻す作業としてのルーティンや趣味もありますが、それに没頭する時間はなかなか作れません。
そんな事を言うと聞こえてきます。
時間は作るものだ、と。
自分で思っているのか他人に言われているのか…

わかっていても出来ない時はどうしてもあるのです。
なんて言い訳を重ねてしまいます。

a Hungry man is an Angry man.
というやつがあります。

空きっ腹のやつは怒りっぽいっとかいうアレです。

なるほど、と思って常に満腹でいようとしていたら太ってしまいました。
これはもうマネジメントになってません。

セルフコントロールは超上級のテクニックだということがよく解りました。
精進します。

こんな、自身の怒りを消化できずに悶えているひ弱な男がいる反面、怒りをパフォーマンスに昇華してしまう猛者もいます。

怒りをベースにしたアートは数知れない。
取り残された者や弾かれた者、弱者とマイノリティを切り捨てる社会への問いを描いたり。
高度経済成長期の歪みの中では一定の理解と需要があったのでしょうか。
癒しにもなったのでしょうか。
アスリートの抗議や乱闘も記録やプレイに対するプロとしての責任が感じとれるから全部込みで受け入れられるのでしょうか。
小さく切り取ってパッケージングすれば商品化できると気づいたビジネスマンがいたんでしょうかね。

ある程度整った低成長時代の昨今ではそうした反骨精神などは行き場を失った様にも感じます。
理不尽に対しての怒りすら生き場がなく自己責任論が台頭してきています。
目が細かくてもひ弱なセーフティネットじゃ誰も助からない。
そんな危うい社会を綱渡りしていても誰も不満を叫べない。

怒りに任せた言動は禁物です。
暴言は失言になりやすい。
たった一回の失言で社会から抹殺されるのですから。

だから、怒りを芸にしてしまうなんてとても高度なスキルだと思います。
脱帽です。

芸人やアーティストだけではない。
ツッパリ嬢。
こんな表現もあるのですね。

突っ張りメーカーの社長らしいです。
世の突っ張りの使用方法の乱れを正したいのだそうです。

感心しますね。
物作りには愛がないといけません。
突っ張りの事ばっか考えてるんでしょう。
寝ても覚めても突っ張り。
夢でも現でも突っ張り。
気がつけばツッパリ。
それが人を魅せる。

だがしかし

僕からしてみれば物足りない。

突っ張りと言ったらこれです。

ご存知ベスポジ。
ある意味で突っ張りの王です。
そのテンション=張りは天井と床に突く事で最高潮をむかえ、爆発寸前の怒りを形に留めたようではないですか。
この安定。
ツッパリ嬢も認めているところでしょう。

絶賛レンタル中です。
なかなかの存在感と圧迫感があります。
利用できる場面は限定されますがハマった時のパフォーマンスときたらそれはもうその為だけに作られたのかと思うほどです。
正直、もっと使ってほしいと思います。
ツッパリに愛を。

作り手の愛をもっと知ってほしいと思うことはよくあります。

需要が安定すると大量生産の段に入りますが、その段階では製作における技術は不要で作業者に愛がなくても物は作れてしまいます。
物作りの失墜はそんな所から始まるものです。

何かしら大事なものを守るために発するのが怒りなのだとしたら愛ゆえにと言えるかもしれません。
それならば怒りの量と向きと密度をコントロールできなければ嘘になってしまいます。
手遅れになる前によく考えて自分と向き合うことが大切です。
守りたいもののために鬼にも悪魔にもなれるのならきっと怒りは優しいものでもあるはずです。

本質は同じなのかもしれませんね。
怒りには多様な面があるということです。

目には目を、とか毒をもって毒を制す、の図式が正解なら怒りに対して怒りで対峙するのが有効のような気がしてきますがそれでは勝敗が決まるだけで根本的な解決にはならないと思っています。

対称にあるものだけが本当に向き合えるのですかね。
僕に何が足りないのか嫌という程にわかるのです。

もっと自分自身を支配したいです。

K.K

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